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暗い映画

 MOVIXさいたまが3/30(日)でとうとう上映終了で、二枚買った前売り券の一枚をまだ使っていなかったので最終日に慌てて観に行きました。

 

『輝きの向こう側へ!』

http://www.idolmaster-anime.jp/

 

 春香のしょんぼり俯き顔ばかりが印象に残っていて、楽しいシーンというのがなぜかぱっと思い出せない。しかもその、合宿が終わってからの長い雨の薄暗い時間のやりとり、息の詰まる雰囲気が、映画の終わりまで完全に解消されないというか、つまり、クライマックスのライブシーンによって、そういう暗い雰囲気はぜんぶバァーっと取り払われて、明るくて楽しい、さわやかなラストを迎えるというドラマの段取りだったことは、もちろん分かっているんだけれど、その、バァーっという感じがどうももうひとつ足りなくて、春香は最後までいまいち晴れない顔だったような印象を受けた。受けたというか、私はなんだかそういうふうに錯覚した。それがそのまま、この映画のすっきりしない、薄暗い印象につながっている気がする。観終わったころには、伊織の透けブラなどはまるで別の映画の話であったかのように遠くに感じる。

 春香はとにかくアイカツアイドル活動が大好きで、天職という感じで、ライブもとにかく不安とか怖さとかいう以上に、フゥー楽しい!最高!というふうにやっていていつもニコニコなのがたいへん魅力的なところだと思うんだけど、この映画においては、ライブシーンそのものの映像はいつも通りでも、そこに至るまでのドラマを受けた上で観ると、なんだかいまいち楽しめていないんじゃないかという疑念というか、不安というか、映画を観ている方としては少し、いつものアニマスのライブシーンとは違って、すわり心地の悪い感じを受けた。

 それこそが春香の成長だと言われれば、まあそうなのかなとなんとなく納得させられちゃうけど、とにかく、ラストでそれまでのドラマのモヤモヤが全部晴れる開放感というのか…そうカタルシス!カタルシスが足りないように感じて、だから私の印象では、責任あるプロの仕事人として、考えかたの違う多人数をまとめていく上では、「仲良く楽しく」だけでこの先もずっとやっていくことはできないのかもしれないということを、今回のことからはっきりと予感して、夢を体現する存在であるところのアイドルの春香が、そういう自分の夢を失ってしまう、失わざるを得なくなってしまう日が来ることへの不安や恐怖を知り、夢見る少女から大人へと…という、非常に大げさに言えば、アイマス世界にヒビを入れるような、そういう不安定なものを残した物語として……

 

 なんか違うな。べつに私は映画の解釈論争に加わりたいわけじゃない。ただ思い返すに、あの待ちに待ったアイドルマスター劇場版だというのにずいぶん暗い映画だったなということを言いたいだけです。ドラマの舞台はスパァーっと晴れやかな夏合宿ひとつでやってくれればよかった。笑いと涙とロマンスと伊織の透けブラがあり、クライマックスシーンは最後の全体練習で、M@STERPIECEに合わせてみんな笑顔で汗だくになって踊る。律子は泣く。それで

春香「ヨッシャー完璧だ!本番も気合入れてくぞ野郎ども!!」

みんな「「「「「うおおおおおおおー!!!」」」」」

で終わり。アリーナライブとPとのお別れはエンドロールでちょいちょいとやってくれれば充分だ。

 そういう、カラッとしたのが見たかったな。贅沢をいわせていただければ。春香がグツグツ悩むところを見たいわけじゃなかったなって、実際に映画を二回も観てようやく、自分がアイマス映画に望んでいたものが分かったような気がします。

 

 だからさ~もう一回映画作ってよバンナム。今度はもっと「アイドルとは何か」みたいな難しいテーマいらないからさ。いっそ春香とPの大恋愛ドラマとかね、いい加減そういうのやってもいいと思うよ。私はぜひともそういうの観たいですね。タイトルはもちろん『春香ラブストーリー』で。