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 こんな詩のアイマス曲がこのごろあるだろうか。不安と緊張にまみれる日々、それらをぜんぶ覆い隠して素敵な自分に変身する魔法にかかる夢、未来への希望。10代の女の子が歌うべき詩としてこれ以上のものがあるだろうか。どうしてこのごろはこういう曲を歌ってくれないんだろう。

 あのころから10何年かが経ち、私は冴えない大人になり、彼女たちは今もあのころのままだ。しかし思うに、本当はそうではないのかもしれない。私たちの人生の時間がひとつながりの、ふたつと同じ瞬間のない一本の線であるのと同じように、彼女たちもまた、私たちと同じ時間を生きていると見なすほうが本当は自然なのかもしれない。First Stageは過去の自分であり、今の彼女にとって「新しい曲」ではないのかもしれない。

 2018/3/18