仮題(課題)

(どんどん増える)

 

Papillon

Back to the Theater

COVID-765

FIFTY SIX SAME FACES

夏の夜中のサーヴィスエリア ----- 夏の夜中のサーヴィスエリア - ニコニコ動画

Alone, Alone And ROCO

Kubooka Eyes ----- 目が逢う瞬間、捕らわれて - ニコニコ動画

ダンスパーティしましょう

Honey Cannedheat

輪るプリンセスティアラ

弟の墓carnival

エスと言って

Dimension766

ボーン・イン・ロコモティヴ

Diamond

ピコピコプラネッツの逆襲

yukiho_solo

Tighten @

JAGD JAGD(ガルパン

飾りをつけた四人組

ラナウェイ766

やよい「もっとお話ししたいかなって」

射手座の日

The Best GAME

画面の向こうで寝てる人

私はアイドル

リプレイヤ

時代遅れのプロデューサー

プロデューサーの見る夢

ジュピターvsナムコエンジェルwithリューグーコマチ

H.T

LOLI 2021

春香の奇妙なバレンタイン

ウナ・ノーチェ・コン・やよいっち

Chihaya Chan's Song

Idol Rank Dust

 

 音楽聴いてるとタイトルばっかり思い付いちゃう。どれかひとつでも形になったらうれしいね。

クリスマス

 クリスマスになにか特別ハッピーな思い出があるわけではない。小さいころは普通に(普通という表現もこのごろは無神経な言いかたと見なされるだろうか)部屋にプラスティックのツリーを飾り、ケーキを切ってもらい、寝ているあいだに枕元に阪急デパートの包みのプレゼントを置いてもらっていた。包み紙のにおいや手触りを今でも思い出すことができる。サンタクロースが両親であることはなんとなくわかっていたと思うが、プレゼントをくれるのは両親であり、それは同時に本物のサンタクロースであるということを矛盾のないものとして自然に理解していた。

 通っていた幼稚園のクリスマス会で、園長先生が扮するサンタクロースが現れたときのことを覚えている。私たちはみんなそれが白い付け髭をした園長先生だと気がついていた。しかしその時もやはり、だれも彼を”にせもの”だとは感じなかった。赤い服を着て、私たち一人ひとりにお菓子を配ってくれるこのひとは、毎日私たちとあいさつしている園長先生であると同時に、北の国からトナカイの曳くそりに乗って私たちの幼稚園まで来てくれた本物のサンタクロースであることを疑問なく受け入れていた。

 小さい頃の、そういう神聖な認識の感覚というようなものを時々思い出す。

 

 生活にもっと余裕があり、勤め先から賞与が出たら(出ない)クリスマスの飾りをたくさん集めたいとずっと思っている。あの小さないろいろの飾りものが、ハンズやセリアやショッピングモールの雑貨店で並べられているのを見つけるたびに、ふらふらと近寄ってはじっと眺めている。金色や銀色のモール、金色や銀色のよくわからない玉、ミニチュアのツリー、ステッキ、サンタクロース、星、十字架、トナカイ、ソリ。木彫りのトナカイを手に取って、これはもしかしたら自分でも彫れるだろうかと考える。ものづくりにたずさわる人間を自称したいのなら、そうすべきかもしれない。いまこれを買って家に持ち帰れたら素敵だろうが、自分というひとりの生活者を客観的にに見つめるとき、それはふさわしい行動とは思えなかった。このトナカイは、子どもか、子どもを持つ親に手にとってもらうのがふさわしいように思われた。あるいはクリスマス会を準備する幼稚園の先生に。

 

 毎日、イルミネーションを灯した家を何軒も通り過ぎる。ホームセンターでThis Christmasが流れている。郵便受けにクリスマスケーキのチラシが入っている。平日は仕事場にいて、休日は家にいるから、私はこの街のことをなにも知らないが、この街のどこかにもライトアップされて明るく飾られた通りがきっとあるだろう。車のタイヤをスタッドレスに換えた。もう何年も自分でやっているから慣れている。せっかく換えたので雪が降ってくればいいのにと思う。できればクリスマスに。

 もうなにも、自分には関係ないのかもしれない。それでもクリスマスは好きだなと今も思う。


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 右に向かって、つまり南から雲が流れ降りてくる。

 あれはおそらく雨雲で、午後遅くから雨という予報は当たるだろう。それでも今はまだ陽の光が残り、対岸側の湖面を白く照らしている。

 水の匂いをかすかに感じる。木と草、空気の匂いがもっと濃厚にただよっているはずだが、私の嗅覚はこの10年来というもの何らかのアレルギー症状によりほとんど機能しないままだ。道端の花の匂い、工房の木の匂い、露店から流れてくる食べものの匂いをふたたび感じられるようになったらどれほど楽しいことだろうか。

 

 岸辺で男の子が石を拾いあげて投げようとする。すると母親がすぐさま叱る。石が人にぶつかると危ない、わかっているのか?石に触ってはダメ。男の子は石の誘惑に逆らえず別の石をまた拾う。母親は強い言葉を投げつける。どうしてなんだろう。男の子はもう石への興味をなくしたふうを装って駆けていった。そばにいる父親は薄く笑ってなにも言わない。俺が父親ならその石を拾って、湖に向かって30メートルも投げて見せてやるのに。

 

 遊覧船のアナウンスがここまで聞こえてくる。風がすこしづつ冷たくなってくる。二葉の松葉が枯れ落ちて上着に当たる音がする。

 秋を見に来るには少し遅すぎたかもしれない。

 

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